心不全

心不全とは

心不全とは、心臓が全身に十分に血液を送り出すことができなくなる状態です。
原因としては、狭心症、心筋梗塞、弁膜症などがありますが、そのほかにも様々な原因があります。症状としては、むくみや息切れ、尿がすくなくなる、体重が増えるなどがあります。そのような症状が出現したときは、原因を精査し、薬物療法を行っていきます。

心エコー検査とは

心エコー検査は超音波を用いて心臓の構造や動き、心腔や血管内の血流を観察する検査です。血流観察はドプラー法といい、心機能、構造をみる検査と合わせ、エコー・ドプラー検査とも呼ばれます。超音波検査は人の耳に聴こえない周波数の高い音波を利用して体内の観察を行うため人体に害がなく、繰り返し行えるという利点があります。超音波を発信する探触子を胸壁に当てて心臓の観察を行う経胸壁心エコーが日常診療で行われますが、より詳細な観察手段として、食道に挿入した探触子で心臓を背面から観察する経食道心エコーがあります。
心臓の速い動きや血流を見るためには高機能の超音波診断装置が必要で、当院にはエコー室に2台、救急室に1台の心臓専用機が設置されています。特に最新のPHIRIPS社製 Affiniti 70Gは3-D観察可能な経食道心エコーのシステムを兼ね備え、心房内血栓や弁膜症術前の詳しい評価に有用です。また、これらの装置では、動脈、静脈の血流観察が可能で、下肢深部静脈血栓症や頸動脈硬化症の診断に利用されます。

心不全の治療

両心室ペーシング(心臓再同期療法)

心臓のポンプ機能が低下し、さらに心臓内の電気興奮が遅くなって、心室全体の収縮がうまく出来なくなった場合には、両室(右室と左室)ペーシングと呼ばれる特殊なペースメーカーの植え込みが有効です。右室と左室(冠静脈を介し)にそれぞれリード線を挿入し、両心室を同時にペーシング(刺激)することにより心臓の収縮が改善し、心不全の再発を予防します。

ST Jude Medicalより